「今朝も家を売りたくないと思ったんですよ」と、微笑みながら言う持ち主さん。「いや、売る気はなかったんです」と、今度は真面目に言う持ち主さん。御年76歳。自分の親世代よりも上の金縁丸めがね、髭を生やされた素敵な雰囲気の物腰柔らかなおじいちゃま。仮契約の時、子供達の用事があり夫に任せるつもりでしたがお顔だけでも拝見したくて挨拶に顔を出したところ、家のことを立ち話で20分も止まらずお話ししてくれました。その時にも愛情を注がれた家だな、と思いましたが本契約の日も家への想いがひしひしと伝わってきました。家を建てる時に三次の方の山をひと山買い取って木を使った話、木建具の話、庭の木々の話、杉の板間は米ぬかで磨くといい話、床の間の話、五右衛門風呂の話、縁側の話、土壁の話、鍵のかけ方のコツなどなど。。。。契約が終了しても話は尽きません。小さな子ども達が住むにあたっての注意事項を箇条書きのメモを見ながら話してくれる持ち主さん。縁があってこのお家に住まわせてもらえることになって本当に嬉しく思いました。持ち主さんの意思を受け継いで日々を大事に丁寧に生活していきたいです。
そんなわけでいざ、自分たちの新しい家へ出陣。気になっていた縁側や洋間、二階の窓を開けてみました。
縁側からのこの開放感!いい!凄くいい!でも、同時に気になる木の建具。。。平屋の方はかなりゆがみがきていてこじ開けるように開かなくてはいけない窓もあり、これは直しが必要です。
※モデルさんが可愛いのに80年代的なポーズが気になりますがご了承下さい※
特殊窓でも大きな窓でも大きさに合わせて簡易的に網戸が作れる!これであっさり問題解決!現状の建具を使う窓に網戸がつけたい場合はこれで対応することになりました。
さて、話は戻って木建具問題。倉敷に行ったとき鉄枠の窓を見かけてコレは。。。と思いさっそく調べてみました。
雰囲気はとても良いです。このお店は新しかったのできっと特注で新しく作った物と思われます。開け閉めもピタリとはまって良い感じでした。しかし、調べてみると鉄枠の窓を作っているところは殆どなく、業者さんに聞いても今は扱っているお店を見つけるのが難しいとのこと。知人によるとショップなどで使うところがあるから作っているところがないわけじゃないはずとのことでしたが、やはり需要が少ないだけに高額商品になりそうです。夫との話し合いで鉄枠はナシという方向に。ここに救世主、友人Kクンのお勧め、内窓(プラマード・インプラス)の話が飛び込んできました。
プラマードとインプラスの違いがよく分からなかったのですが、要するにサッシの内側(私達の家の場合は木建具の内側)に樹脂の窓枠をもう一つつけるという方法。断熱、防露、防音、防犯にも優れています。こんな物があるとは知りませんでした。さすが現場で働くKクン。これなら外観も内観も木の雰囲気を損なうことなく生かせそうです。そう言えば、倉敷でサッシの内側に合わせて手作りで木枠を取り付けているお店がありました。なるほどなぁ〜、と思いましたがこれだと外観はサッシのままなので意味ないね、という話になっていたのです。さて、この内窓。一つ気になることがあります。これだと窓を2回開けなくてはいけないのです。しかもここに例の簡易網戸をつけるとどうなるのか?外窓、内窓、網戸の3枠になるので窓がゴテゴテ重い雰囲気になるのでは?と、ちょっと頭の中だけでは想像出来なくなってきました。採用するかどうか目下検討中。まだ業者さんとの打ち合わせもしていないので想像だけでいろいろ悩んでいるところです(カマクラさん、27日の木曜日まで岡山へ出張中)。とりあえず、いろいろ悩む前に打ち合わせが出来る頃にはギックリ首が治っていますように。